受賞関連情報
カレンダー展 受賞のお知らせ
RMGT 2025年カレンダー【木魂】が、第76回 全国カレンダー展(主催:一般社団法人日本印刷産業連合会、産経新聞社)において、応募点数403点の中から【第1部門】実行委員会奨励賞を受賞いたしました。
【第76回】全国カレンダー展受賞作品リスト
RMGT 2025年カレンダーのご紹介
2025年は中島通善氏『版木画®』をテーマに【木魂 -kodama-】と題して制作。
『版木画®』の特徴である透き通るような色彩、木目の繊細な溶け込み方、柔らかな雰囲気をプロセスCMYにマットスミと白インキを重ねたオフセット印刷で表現しました。
表紙

本文






印刷構成
表紙


1-2月の絵柄"富士来光"を等倍率のままモノクロで表現し『版木画®』ならではの木目を強調しました。
背景はプロセスのスミインキを2回重ねることで、黒の深みを出しています。
絵柄部分の白インキは、濃度と網点の角度を変えた白版を2回印刷しました。白インキの濃淡を強調するため、1回目の白版は全体版、2回目の白版は富士山の山頂にかけて強さを出す調子版にしています。さらに白インキの効果をより強く出すため、1回目は網点の角度を75度、2回目では45度に設定しました。網点の角度を30度変更することで、富士山の輪郭をより際立たせる効果を出しています。
文字部分は白インキとの表現の違いを楽しんでいただけるよう、インキを乗せず紙地の白色を活かすデザインを採用しました。
スミ版、白版をそれぞれ2回重ねた後、最後に保護効果を持つマットニスを全面に引いています。マットニスは光沢のあるインキの上に重ねることで、ツヤを抑えた質感に仕上げることができます。また、指紋や汚れに対する保護効果があり、長期間にわたって綺麗な状態を保つことができます。
本文


『版木画®』特有の淡く繊細な色合いと木目の自然な溶け込み方を再現するため、プロセスCMYにマットスミインキと白インキを重ねています。
原画と比較しつつ各版の微調整を繰り返し、より本物に近い色合いを追及しました。
越前和紙をスキャニングし、絵柄周辺の余白部分に敷くことで『版木画』の世界観を守りつつ、違和感のない仕上がりを目指しました。
作者紹介
中島 通善 なかじま・つうぜん (1944年-2024年)
東京都浅草出身。早稲田文学部美術専修卒業。
印刷の原点とも言える浮世絵版画の伝統的な技法にとらわれず、描画から版彫り、摺りに至るまでを全て一人で行う『版木画®』を確立。
木に魂を込めた珠玉の作品たちは、日本国内にとどまらず世界的に高い評価を得ています。
中島 通善 オフィシャルウェブサイト