リョービ株式会社(以下、「当社」)は、アルミダイカスト製品の熱処理において、従来は難しかった高延性が求められる保安部品にも適用可能な過時効T5熱処理技術を開発しましたので、お知らせします。
アルミダイカストは、自動車部品などに広く使用される軽量素材です。構造部品として使用される場合は、鋳造後に強度や寸法安定性を確保するため、溶体化処理や人工時効処理など複数の熱処理工程が必要とされてきました。従来のT7熱処理(溶体化処理+焼入れ+人工時効処理)は高温加熱と急冷を伴うため、エネルギー消費とCO2排出量が大きな課題となっていました。また、T5熱処理は従来、強度や寸法の安定性を重視する部品への適用に限られており、高延性が求められる保安部品への適用は困難とされてきました。
当社は、溶体化処理と焼入れ工程を省略する独自の過時効T5熱処理技術を開発し、車両要求特性(強度・延性・信頼性)を満足することを確認しました。これにより、保安部品への適用が可能となりました。更に、1,100×530mmサイズのバッテリーケースを対象に試算した結果、従来のT7熱処理で年間約1,476t-CO2排出していたところを、約547t-CO2に抑え、929t-CO2(約63%)の削減を達成しました。
過時効T5熱処理炉
当社は今後も、環境負荷低減と保安部品に求められる高い信頼性確保の両立を目指し、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献してまいります。
お問い合わせ先:リョービ株式会社 経営企画部 広報課 TEL 03-3501-0524